2年前の話です。
私は、厄年だったので、
厄払いの祈願をしてもらうために、
あるお寺に行きました。
厄払いの祈願をお願いする受付でのことです。
申込用紙には、名前と生年月日と住所を書く欄と、
祈願してもらうコースを選ぶ欄がありました。
まず、「厄除け」か、「方位よけ」なのかを選びます。
厄除けには、3千円と5千円と1万円の
3つのコースがありました。
私は、一番安い3千円のコースに丸じるしを付け
受付の女性に渡しました。
すると、その女性は、
「59年生まれの方は、方位よけにも該当します。
2千円足していただいて5千円のコースにすると、
方位よけの除災もいたしますが、どうされますか?」
と聞いてきました。
私は、「では、5千円で」と言っていました。
このように、上のランクの商品を勧めることを
「アップセル」とか「アップセリング」と言います。
この厄除けのアップセルは、とても見事でした。
しかし、それだけではなく、
さらに私を感心させることがありました。
実は、
その申込用紙は、漢数字で金額を
書くようになっていました。
3千円を漢数字で書くと「三千円」です。
この「三」に、縦に2本線を引くと、
「五」になります。
私が、「では、5千円で」と言った瞬間に、
その女性は、黒色のマジックでササッと
縦に2本の線を書き足し、
「三千円」を「五千円」に変身させていました。
その手つきは、妙に慣れていました。
まさに、「マジック」です。
さすがです。あっぱれです。
これが、「アップセル」です。
ここで、注目していただきたい点があります。
それは、私に「売り込まれた」という意識が
まったくないという点です。
むしろ、「方位よけ」に該当していることを
教えてもらって、良かったとさえ思っているのです。
前回お話したラーメン屋さんの「クロスセル」と同じことが言えます。
「私の知らなかったことを、教えてもらって、良かった」
と思っているということです。
決して、「売り込まれた」とは、思っていない点が、とても重要なのです。
「アップセル」「クロスセル」で、最も大事なポイントとしては、
このように、お客さんの「満足度」を、
より高める提案をしているかどうかという視点なのです。
客単価を上げるテクニックとして、
「アップセル」や「クロスセル」を使おうとすると
「お客さんに嫌がられるんじゃないか」
とか
「売り込みしているようで嫌だ」
となってしまいます。
しかし、
お客さんの「満足度を、より高める提案」をするというスタンスになると
自然に「アップセル」や「クロスセル」ができるようになります。
ぜひ、あなたのお店でも、
お客さんの「満足度を、より高める提案」をするというスタンスで、
「アップセル」や「クロスセル」をやってみてください。
確実に客単価が上がります。




